電車で見かけるあの人の横には、いつも彼女がいた
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いつもと違う時間、違う車両に乗り続けてから二週間。

私は、いつだったか翼くんが読んでいた、推理物の小説を読んでいた。

難しくて、よく分からない。

私は、心折れそうになっていた。

『ドアが閉まります』とアナウンスが流れる。

「美里ちゃんっ!」

「え?……うわぁっ!」

ドアが閉まる寸前、腕を引っ張られ、電車を降りた。

プシュー……とドアが閉まり、電車が動き出す。

「やっと見付けた……」

「……翼くん……どうして……?」

そこには、息を切らせた翼くんがいた。
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