気まぐれイケメン上司に振り回されてます!
「でもさ、その後吉葉さんはちゃんと仕事進めてくれたんでしょ?」
「……まあ、そうなんだけど」
わたしはフォークにパスタを少量、くるくると巻き付けながら不満気に呟く。
結局、景さんは週末までにひとつ仕事を終わらせて、他の二件に手をつけはじめていた。
彼は言うとおり、取り掛かれば早いのだ。
景さん独自のペースで仕事をして納期に間に合わないなんてことが起こったことはないのだから、周りも文句の言いようがない。
だけどわたしは“もしも”を考えて、彼に仕事してください!と言い続けている。
放っておいて期限を忘れてしまったりしたら大変だもの。
賀上さんにも『そうやって声をかける人間が必要だ』と言われている。
だからわたしは、毎度しつこく景さんの作業ルームに出入りしているのだ。
「いいじゃない、春絵は吉葉さんのことが好きなんだから。他の人より吉葉さんに関わることができて、うれしそうだし」
「なっ……うれしくないよ!」
「嘘つきー。吉葉さんのことを『まったくもう!』とか言いながら若干頬が緩んでたわよ」
わたしは片手で自分の頬を触った。だって、自分ではまったく気づかなかったんだもの。
そんなわたしを見る沙穂子は、にやにやしていた。
「……まあ、そうなんだけど」
わたしはフォークにパスタを少量、くるくると巻き付けながら不満気に呟く。
結局、景さんは週末までにひとつ仕事を終わらせて、他の二件に手をつけはじめていた。
彼は言うとおり、取り掛かれば早いのだ。
景さん独自のペースで仕事をして納期に間に合わないなんてことが起こったことはないのだから、周りも文句の言いようがない。
だけどわたしは“もしも”を考えて、彼に仕事してください!と言い続けている。
放っておいて期限を忘れてしまったりしたら大変だもの。
賀上さんにも『そうやって声をかける人間が必要だ』と言われている。
だからわたしは、毎度しつこく景さんの作業ルームに出入りしているのだ。
「いいじゃない、春絵は吉葉さんのことが好きなんだから。他の人より吉葉さんに関わることができて、うれしそうだし」
「なっ……うれしくないよ!」
「嘘つきー。吉葉さんのことを『まったくもう!』とか言いながら若干頬が緩んでたわよ」
わたしは片手で自分の頬を触った。だって、自分ではまったく気づかなかったんだもの。
そんなわたしを見る沙穂子は、にやにやしていた。