気まぐれイケメン上司に振り回されてます!
片手でわたしの手をまとめて押さえつけた景さんは、頬に軽くキスをして今度は唇へ。
深い口づけをしながら、太もものあたりをそっと撫でられて体が震えた。

「景さんっ……」

唇が首筋へと移動して、肌を吸われる。それだけなのに体がすごく熱くなった。

「俺、賀上さんが春ちゃんのことを心配するのがずっと気に入らなかったんだ」

「え……?」

「賀上さんみたいな男に優しくされたら、春ちゃんは好きになっちゃうんじゃないかって」

「そ、そんな、わたしは……」

「俺がいい?」

確かめるように囁いた景さんの息が耳元にかかって、熱っぽさに包まれながらあたりまえだとうなずいた。

肌を移動する唇が触れて離れてを繰り返した後、見下ろしてくる景さんがもう好きで好きで仕方ないし、ドキドキしておかしくなりそうで……。

「わたしも……景さんにキスしたい……」

ぼうっとしながら、ちょっと大胆なことを言ってしまった。
自分でもなにを言い出しているんだ、と頭の隅っこで思ったけれど、言ってしまったものは取り消せない。

「なかなか大胆だね」

「えっと、あの」

「しょうがないなあ。いいよ、俺にキスして」

わたしを起き上がらせた景さんは、そのまま抱き寄せて顔の近くて微笑する。
なんだかもう、好きとか恥ずかしいっていう感情がピークに達しているんですけど!

「ど、どこに……していいんですか……?」

「頬とか首筋とか、どこでもいいよ。それで春ちゃんは、キスされて我慢できなくなる俺を見ててよ」

景さんはどうぞ、と言うように首をかたむけてきた。
どうしてそんなに余裕なんだろう!?
自分が言い出したことだけれど、本当にわたしからキスするの……?
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