気まぐれイケメン上司に振り回されてます!
わたしが急いで食べると「口に入れ過ぎじゃない?」なんて景さんがからかうように言ってきたが、関係ない。隙をついて狙おうとしているようだけど、お肉はわたしのものだ!

そうやってふたりでする食事は、いたずらっぽく笑う景さんと攻防しながらも楽しいなって思った――。



「炊飯器に残ったご飯、取り出しておきましょうか?」

「あ、よろしく」

水道の蛇口をキュッとしめたわたしは、保存容器を持って炊飯器のご飯を入れる。

後片付けは、わたしが『やりますよ』と言って洗い物をした。
料理も片付けもちゃんとできるんだと、得意気になっているわたしに『手伝おうか』と言ってくれた景さんにはテーブル拭きを頼んで、終わった後はリビングのソファへ座っていてもらった。

「ご飯の入った保存容器、冷めるまでキッチン台の上に置いておきますね」

「うん、ありがとう」

すべてを終えてソファに座っている景さんに近づくと、スマートフォンを見ていた景さんは顔を上げてお礼を言った。

「春ちゃんはいいお嫁さんになるね」

「な、なんですかいきなり」

「だって、料理できるし片付けもしっかりやってくれるし」

「べ、別に、大体の女性はこれくらいできますよ。ていうか! わたしが片付けをやらなかったら、景さん後回しにして明日も食器がそのままになっていそうですからね!」

「あはは、俺のことよくわかってるねー、付き合っちゃおうかー」
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