気まぐれイケメン上司に振り回されてます!
担当者はわたしたちに向かって何度も頭を下げた。
景さんは、わかりやすく不機嫌な顔になっている。
先に景さんに依頼がきて、彼だって何件か仕事を抱えながらもデザインを考えていたのに、社長と親しいデザイナーだからって簡単に仕事をとられてしまうの?
「そうですか、わかりました。失礼します」
「あっ、景さん」
淡々とした口調で挨拶をし、ソファを立って外へ出ていく景さん。
わたしも立ち上がり、「諸々の話はまた後日……」と賀上さんと担当者が言葉を交わしたのを聞き終えてから、部屋を出た。
担当者も慌ただしく去っていき、わたしたちは応接室の前でたたずむ。
こんなことになるとは思わなかったので、プレゼンする前に断られてなんだかショックだ。
「最悪だな」
腕を組んでそう言った賀上さんは、ご立腹の様子。
景さんはなにかを考えていて「まさかな」と呟くと、それに賀上さんが反応した。
「ああ、そういえばあいつもニューヨークから帰ってきてるんじゃないか。吉葉が相手にされなくなるなんて、あいつだったりして。そうだ、昔からあの女は顔が広いしプライド高くて強気で、人を蹴落とすのも余裕だから……」
話ながらなんとなく賀上さんの視線が通路の奥の方へ向いて、瞬間、賀上さんはそこを凝視する。
「誰のことを言っているのかしら?」
振り返ると、ひとりの女性がこちらに歩いてきて賀上さんににこりと微笑んでいた。
景さんは、わかりやすく不機嫌な顔になっている。
先に景さんに依頼がきて、彼だって何件か仕事を抱えながらもデザインを考えていたのに、社長と親しいデザイナーだからって簡単に仕事をとられてしまうの?
「そうですか、わかりました。失礼します」
「あっ、景さん」
淡々とした口調で挨拶をし、ソファを立って外へ出ていく景さん。
わたしも立ち上がり、「諸々の話はまた後日……」と賀上さんと担当者が言葉を交わしたのを聞き終えてから、部屋を出た。
担当者も慌ただしく去っていき、わたしたちは応接室の前でたたずむ。
こんなことになるとは思わなかったので、プレゼンする前に断られてなんだかショックだ。
「最悪だな」
腕を組んでそう言った賀上さんは、ご立腹の様子。
景さんはなにかを考えていて「まさかな」と呟くと、それに賀上さんが反応した。
「ああ、そういえばあいつもニューヨークから帰ってきてるんじゃないか。吉葉が相手にされなくなるなんて、あいつだったりして。そうだ、昔からあの女は顔が広いしプライド高くて強気で、人を蹴落とすのも余裕だから……」
話ながらなんとなく賀上さんの視線が通路の奥の方へ向いて、瞬間、賀上さんはそこを凝視する。
「誰のことを言っているのかしら?」
振り返ると、ひとりの女性がこちらに歩いてきて賀上さんににこりと微笑んでいた。