気まぐれイケメン上司に振り回されてます!
女の子を泣かせてるっていう部分は否定しないんだなぁ……。
確かに、賀上さんって女性に手慣れていて遊び相手とかたくさんいそうだから、女の子泣かせてそうだよね。
わたしはそっと、景さんが座るソファの方へ動いた。
そばまで来たとき、手首を引っ張られてそのまま景さんの隣に座ってしまった。こういう何気ない彼の行動に、わたしはいつもドキドキしてしまう。
名前だって『適当に景って呼んでよ』って言われて、いつのまにかわたしのことを『春ちゃん』と親しげに呼んでくるのだから。
ちょっとくすぐったい気持ちになって、なにを考えてるんだろうといつも気になる。意味なんて、ないのかもしれなけど。
「そんなことよりお前、朝本を困らせるなよ」
そうですよ、と景さんを見ると、彼はなんだかムッとしているように感じた。
向かい側のソファに座った賀上さんは、ポケットから煙草を取り出す。
「灰皿」
「俺が煙草の匂い嫌いなんで、この部屋は禁煙です」
「一本くらい吸わせろ。さっきまで長い打ち合わせしてて、やっと終わったんだ」
「吸いたきゃ外出てください」
「……お前、歳も立場も上の俺にもう少し気を遣えないのかよ」
ここで動くべきなのは一番下っ端のわたしだろうと思い、賀上さんの言うことを聞こうと立ち上がって灰皿を用意しようとすると、賀上さんは「いいよ」とクスクス笑いながら携帯灰皿を取り出した。
確かに、賀上さんって女性に手慣れていて遊び相手とかたくさんいそうだから、女の子泣かせてそうだよね。
わたしはそっと、景さんが座るソファの方へ動いた。
そばまで来たとき、手首を引っ張られてそのまま景さんの隣に座ってしまった。こういう何気ない彼の行動に、わたしはいつもドキドキしてしまう。
名前だって『適当に景って呼んでよ』って言われて、いつのまにかわたしのことを『春ちゃん』と親しげに呼んでくるのだから。
ちょっとくすぐったい気持ちになって、なにを考えてるんだろうといつも気になる。意味なんて、ないのかもしれなけど。
「そんなことよりお前、朝本を困らせるなよ」
そうですよ、と景さんを見ると、彼はなんだかムッとしているように感じた。
向かい側のソファに座った賀上さんは、ポケットから煙草を取り出す。
「灰皿」
「俺が煙草の匂い嫌いなんで、この部屋は禁煙です」
「一本くらい吸わせろ。さっきまで長い打ち合わせしてて、やっと終わったんだ」
「吸いたきゃ外出てください」
「……お前、歳も立場も上の俺にもう少し気を遣えないのかよ」
ここで動くべきなのは一番下っ端のわたしだろうと思い、賀上さんの言うことを聞こうと立ち上がって灰皿を用意しようとすると、賀上さんは「いいよ」とクスクス笑いながら携帯灰皿を取り出した。