気まぐれイケメン上司に振り回されてます!
いくら本人が大丈夫だと言っても、もし万が一間に合わなかったらと、毎回心配なのだ。
「俺は取り掛かれば早いですから」
「わたしの心労が絶えません!」
口を尖らせているわたしに景さんが顔を向けて、目を細めた。どうして急に意地悪そうな表情をするのか、構えてしまう。
そんなわたしたちを賀上さんがふっと笑って、持っていたファイルに挟んでいた書類を景さんに渡した。
げっ、とわたしは心の中でリアクションする。
「取り掛かれば早いお前に新しい仕事だそうだ。二件、よろしく」
皮肉っぽくそう言った賀上さんは、煙草の火を消して携帯灰皿をしまい、ソファから立ち上がった。
「朝本、大変だろうが御守り頼む」
困ります!とは言えず、「わかりました……」とわたしは去っていく賀上さんに仕方なく返事をした。
ああ、もう。景さんがもっと早く取り掛かってくれれば、ごちゃごちゃと仕事が重なることはなかったのに!
景さんは、御守りってなんだよ、と文句を言いながらソファから離れると、煙草の煙が気になるのか窓を開けて部屋の換気をした。
その背中にわたしは少しだけにやりとする。
「これで今日は帰れないですね」
ひとつのデザインが終わらないうちに新しい仕事が二件もきたのだ。さすがの景さんも今日はやってくれるはず。
「俺は取り掛かれば早いですから」
「わたしの心労が絶えません!」
口を尖らせているわたしに景さんが顔を向けて、目を細めた。どうして急に意地悪そうな表情をするのか、構えてしまう。
そんなわたしたちを賀上さんがふっと笑って、持っていたファイルに挟んでいた書類を景さんに渡した。
げっ、とわたしは心の中でリアクションする。
「取り掛かれば早いお前に新しい仕事だそうだ。二件、よろしく」
皮肉っぽくそう言った賀上さんは、煙草の火を消して携帯灰皿をしまい、ソファから立ち上がった。
「朝本、大変だろうが御守り頼む」
困ります!とは言えず、「わかりました……」とわたしは去っていく賀上さんに仕方なく返事をした。
ああ、もう。景さんがもっと早く取り掛かってくれれば、ごちゃごちゃと仕事が重なることはなかったのに!
景さんは、御守りってなんだよ、と文句を言いながらソファから離れると、煙草の煙が気になるのか窓を開けて部屋の換気をした。
その背中にわたしは少しだけにやりとする。
「これで今日は帰れないですね」
ひとつのデザインが終わらないうちに新しい仕事が二件もきたのだ。さすがの景さんも今日はやってくれるはず。