気まぐれイケメン上司に振り回されてます!
「あの、一緒に作業をしてくれてありがとうございました。先方から返事がきて、無事にデザインが決まりました」
「そう。よかったな」
エレベーターがやってきて、先に景さんが乗り込む。
お礼も言い終わってしまったし、一度オフィスに戻ろか、いやでも、鞄を持ってきてしまったし……と、まごついているわたしをエレベーター内から見ている景さんに、「乗らないの?」と言われて、乗ります!と心の中で叫んで乗り込んだ。
一階のボタンを押した景さんの指先を眺めて、ドアが閉まった瞬間にそっと彼の顔に視線を向けた。
横から見る、景さんの口許。
作業ルームで重なった唇に、特別な意味はない?
あれはノリで、というやつ? 夜遅くて、ふたりきりだったからキスしてみちゃった、とか?
だけどキスだよ。わたしたち、職場が一緒でほぼ毎日顔を合わせるのに、軽々しくキスをするなんておかしいよね。
わたし以外の職場の女の子に景さんがキスをした、なんてことも聞いたことがないし、わたしのことをからかったと言うにはずいぶん深い口づけだった……って、思い出しちゃダメ。
つい考えてしまってひとり頬が熱くなっていくのを感じていると、不意に景さんがこちらを向いた。
「そう。よかったな」
エレベーターがやってきて、先に景さんが乗り込む。
お礼も言い終わってしまったし、一度オフィスに戻ろか、いやでも、鞄を持ってきてしまったし……と、まごついているわたしをエレベーター内から見ている景さんに、「乗らないの?」と言われて、乗ります!と心の中で叫んで乗り込んだ。
一階のボタンを押した景さんの指先を眺めて、ドアが閉まった瞬間にそっと彼の顔に視線を向けた。
横から見る、景さんの口許。
作業ルームで重なった唇に、特別な意味はない?
あれはノリで、というやつ? 夜遅くて、ふたりきりだったからキスしてみちゃった、とか?
だけどキスだよ。わたしたち、職場が一緒でほぼ毎日顔を合わせるのに、軽々しくキスをするなんておかしいよね。
わたし以外の職場の女の子に景さんがキスをした、なんてことも聞いたことがないし、わたしのことをからかったと言うにはずいぶん深い口づけだった……って、思い出しちゃダメ。
つい考えてしまってひとり頬が熱くなっていくのを感じていると、不意に景さんがこちらを向いた。