気まぐれイケメン上司に振り回されてます!
5.そばにいてほしい
***
夜遅くまでぼうっと考えていたおかげで、次の日は寝不足だった。
だけど仕事があるので、冷たい水で顔を洗って少しだけ赤くなった目元は化粧でカバーして出勤した。
胸の奥が重苦しくても、仕事は仕事だからしっかりやらないと。
それにこうして働いてなにかに集中していたほうが、余計なことを考えなくていい。
今は昨日の今日でちょっと気分が落ち込んでいるけれど、二日、三日と過ぎていけば気持ちも楽になるはずよ。
そう思うようにして、わたしは作業をしていた。
「朝本、ちょっといいか」
午前中の仕事が一段落して休憩しようとしていたとき、ミーティングルームのそばで賀上さんに声をかけられた。
昨日、泣いているところを見られたという気まずさから一瞬顔が引きつったけれど、「なんですか?」と賀上さんに体を向ける。
他の人を気にしてか、通路の窪みまで進んで賀上さんはそっと声を出した。
「昨日は眠れたか?」
「あ……はい」
「……まったく。嘘つきだな、お前」
どうして見抜かれちゃうのだろう。
困っているわたしを賀上さんはじっと見つめた後、短く息を吐いてから話し出した。
夜遅くまでぼうっと考えていたおかげで、次の日は寝不足だった。
だけど仕事があるので、冷たい水で顔を洗って少しだけ赤くなった目元は化粧でカバーして出勤した。
胸の奥が重苦しくても、仕事は仕事だからしっかりやらないと。
それにこうして働いてなにかに集中していたほうが、余計なことを考えなくていい。
今は昨日の今日でちょっと気分が落ち込んでいるけれど、二日、三日と過ぎていけば気持ちも楽になるはずよ。
そう思うようにして、わたしは作業をしていた。
「朝本、ちょっといいか」
午前中の仕事が一段落して休憩しようとしていたとき、ミーティングルームのそばで賀上さんに声をかけられた。
昨日、泣いているところを見られたという気まずさから一瞬顔が引きつったけれど、「なんですか?」と賀上さんに体を向ける。
他の人を気にしてか、通路の窪みまで進んで賀上さんはそっと声を出した。
「昨日は眠れたか?」
「あ……はい」
「……まったく。嘘つきだな、お前」
どうして見抜かれちゃうのだろう。
困っているわたしを賀上さんはじっと見つめた後、短く息を吐いてから話し出した。