銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
「依亜?そろそろ行かねぇと禅がうるせぇぞ」


「そうだね。雄吾やみんなに禅の相手をさせるのは可哀想だしね」


雄吾は大丈夫でもみんながね…。


多分屍になっていそうな予感がするよ…。


「ほい、ヘルメット」


「ありがとう」


渡された私専用のヘルメット。


車で行くなんて言ってないのに、史音は最初からわかっていたようだ。


さすが私の相棒です。


「んじゃ、少し飛ばすか。ちゃんと掴んどけよ?」


「うん。飛ばすのはいいけど、安全運転ね?」


「わかってるよ。任せとけ」


その言葉の返事の代わりに史音の背中にぎゅっと抱きつく。


それを合図にバイクはゆっくり走り出す。


スピードを出しすぎて警察に捕まってしまっては元も子もない。


特に私と史音は跡継ぎでもあるから余計に。


マスコミのいいネタになってしまうし、会社も潰れてしまう。


私も史音もそんなヘマはしないけど、用心に越したことはないからね。


そんな史音の安全運転で倉庫には15分で着いた。








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