銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
「ちょっとバイク置いてくるから待ってて」


「りょーかい」


さてと、ここまできたらもう大丈夫。


周りに史音以外の気配は感じられないし。


もういいよね。


「はぁ…暑かった」


中でまとめていた髪の毛がぱさりと落ちてくる。


三つ編みをしていた髪ゴムを取ると、ストレートだった髪はうっすらとウェーブになっている。


こうなるのも本当に久しぶりだ。


パーティーがあっても巻くことはないし、巻いたとしても、三つ編みからできるウェーブとはまた違うから。


「あれ、ウィッグ取ってんじゃん」


「うん。もう着いたし、周りに人の気配もないからいいかなって」


それに、あのまま中に入ったら質問攻めされそうだからね。


〝どうしたんですか!〟ってね。


「いいんじゃね。あの姿もいいけど、今はその姿の方が依亜って感じだし」


「ふふっ。ありがとう。…さ、中に入ろう」


「おう。あいつら生きてっかな」


「勉強くらいで死なないよ。私的には勉強に飽きてケンカしてないか心配だね」







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