銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
「お、張り出されるみたいだぞ」


「え?」


史音の言葉に、掲示板を見ると、先生らしき人が張り出し始めていた。


高校の時もそうだったけど、合格発表って緊張と不安で胸が潰れそうになる。


そんなにヤワでないけど、私だって人間だもん。


緊張することも、不安になることもたくさんある。


…狼鬼のみんなに言ったら笑われそうだけど。


特に禅に。


あ、なんか想像すると腹たってきた。


「…依亜?」


「あ、ごめんごめん。意識飛んでた」


「意識飛んでたって…大丈夫かよ」


〝熱は…〟と言いながら史音の右手が額に当てられる。


ひんやりした手が気持ちいい…。


「熱はないな。しんどくなったらすぐに言えよ?」


「うん。いつもありがとう」


お礼と同時に、いつの間にか額から頬に移動していた手を掴むと史音の指と絡める。


いわゆる恋人繋ぎというやつだ。













< 115 / 117 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop