銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
「はぁ…」


「そうため息をつくなって!」


誰のせいよ、誰の。


「俺も自分の仕事は終わらせたから手伝うし、スケットとして史音も連れてきたし?」


「スケットって言っても何も出来ないですけど?」


「史音の仕事は依亜の疲れを癒すことだから。仕事を手伝わなくてもいいよ」


なるほど。


それで史音か。


確かに史音がいると、私のやる気も上がるからありがたい。


だけど…。


「史音はここにいて大丈夫なの?」


史音だって家のことがあるわけだし、狼鬼のこともある。


これ以上負担を増やしたくない。


「…空さん。少しの間、依亜と2人にしてくれませんか?」


「わかった。終わったら呼べよ?」


「はい。ありがとうございます」


「おうよ。瑠依、リビングに行ってケーキでも食うか!」


「食べるっ!」


ドアが閉まり、2人の声が聞こえなくなる。


私も史音のしゃべらないから、部屋はシーンとなるばかり。


気まずくて仕方ないんだけど…。


そう思っていると、史音がゆっくりと口を開いた。



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