銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
「史音?」


「依亜。俺はさ、今は自由の身だから」


史音は一体何を伝えたいの?


「だから俺にここにいることを許してほしい」


「そ、れはっ…」


史音にはソバにいてほしい。


だけど自由の身と言っていても、史音だって受験生だし、家のこともある。


狼鬼のことも任せている。


忙しい史音に私は頼むことは出来ない…。


「依亜のことだから、俺の体のことを心配してるんだろうけど、それは依亜も同じだから」


「私も同じ?」


史音と私じゃ全然違うよ?


史音は何を言ってるの?


「毎日休まずに学校に行って、放課後は仕事のお手伝い。そんな毎日を過ごしていたら体が持たない」


「体力には自信がある。これくらいで倒れたりはしない」


私はあの狼鬼の総長だよ?


こんなことくらいで倒れるようなヤワじゃない。


「はぁ…。そういうことじゃねぇんだけどな」


じゃぁどういうことよ。


そんな意味を込めて史音を睨む。


なぜか頭を撫でられた。


…子ども扱いしないでほしい。


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