銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
「…八つ当たりしてごめん。依亜のメイド服、他の奴らに見せるのが嫌で…」


「う、ううん!謝ってくれたからもう大丈夫だよっ!似合ってないのは自分でもわかってるから!」


「はぁ…」


「史音?」


そのため息の意味は何?


どえしてため息つくの?


「違うよ。…メイド服、似合ってるよ。可愛い」


な、なにその甘い顔っ!!///


その上にそのセリフっ!!!///


あーダメだっ。


自分でも顔が真っ赤になっていくのがわかるっ。


「依亜?」


「可愛いって言ってくれてありがとう!ごゆっくり!」


それだけ言い、逃げるように裏方の方へと回る。


バタバタと慌てて入ってきた私に、クラスメイトたちは不思議そうな顔で見つめてくる。


だけど私はそれどころじゃなくて。


とりあえずこの高ぶる気持ちをどうにかしたかった。


「はぁ…」


深呼吸を繰り返している内に、高ぶった気持ちはなんとか落ち着いてきた。


…狼鬼の総長ともあろう者がこんなんでどうするっ。


今まで何回も抱きつかれてきたけど、あの時は総長と幹部っていうだけだったから何とか保てたけど…。


今は〝恋人〟という立場。


全くといっていいほど保てていない。




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