銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
「はぁ…」


ため息をつくと同時に、扉が勢いよく開いた。


「いたっ!」


ツンツン頭の茶髪男と黒髪ロング女の子に指を差される。


その指の先にいるのは私で。


2人は私に用があることがわかる。


というか、あなたたち誰?


…頑張って頭を巡らせるけど、全然思いつかない。


私がヤッたやつなら覚えてるんだけどな…。


学校の人たちは一切覚えていない。


私が思い出している間にも、2人は近づいてきていて。


その顔は笑顔で逆に怖い。


…逃げてやろうか。


そう考えた私の行動は早かった。


が、私の動きを読んでいたのか、2人に捕まってしまった。


それも両腕をがっしりと。


振り解けないことはないけど、〝私〟がそんな行動に出るわけにはいかない。


一般人(財閥の御曹司と令嬢だろうけど)だから私が月影ってバレることはないだろうけど、用心に越したことはない。


「も〜、何で逃げようとするんですか〜?」


「そうっすよ。逃げることないっす」


…うん、とてつもなく殴り飛ばしたいっ!!


口調にイライラするけど我慢がまんっ。



< 28 / 117 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop