銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
「…私が出たら大変なことになりますよ」


別に出るぐらいはいいんだ。


だけど、私が出てしまうと、公平に審査ができないと思う。


だって私は…。




「〝夕凪〟だからですか?」


南口さんの問いに、縦に1つ頷く。


「夕凪という名前はある意味ブランドっすもんね。依亜さんに票を入れて、気に入られようと思う輩がいるかもっすしね」


そう、それが私は一番怖いのだ。


私は慣れているから別にいいんだけど、一緒に出場する人はそうではないだろう。


特に、ここはお金持ち学校。


プライドの高いお嬢様が多いのだ。


隠れて何かをしてくる可能性もある。


地味子時代にもいろいろとされてきたから慣れてるんだけど。


空にぃと史音にバレたらやばいからな〜。


2人共、くろーい笑顔でキレるからね。


いや、別に自意識過剰とかではなく、本当にあったこと。


あの時はさすがの私でも怖かったのを覚えてる。


あの2人が組めば、閻魔大王よりも最恐だよ。


「まぁ、その心配はありませんがね」


「そうなんですの?」


心配がないってどういうこと?


夕凪だからといって、不正投票はされない?



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