銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
『では、その思い出を聞かせて下さい!』


「…私の初恋は中学生の時です。マンガのように、甘い出会い方ではありませんでした」


もうあれはすごかった。


史音の第一印象なんて、小悪魔ヤローでしたから。


んで、何回か会ってる内に心を開いてくれたのか、私に懐いて引っ付き回すし。


だからまさか本性があんなんだとは思わなかったんだよね。


『そうだったんですか?!でも、それが初恋になったんですよね?それは何がきっかけはなんですか?』


きっかけ…か。


「私を助けてくれたことです」


不思議そうな顔をする委員長に、ニコリと微笑む。


あれは私がまだ総長ではなく、特攻隊長をしていた小学4の時。


いわゆるお金持ち学校に通ってた。


だけどその時の私は本来の姿で通っていたんだ。


名前だけを〝榎本〟にして。


その時の私は族には入ってたけど、まだ世間のことをちゃんとわかっていなかった。


親に捨てられたのもこの容姿のせいなのに。


新しい幸せを手に入れた私はそのことを忘れてしまっていた。


銀髪に空色の瞳。


それはいつだって忌み嫌われるものなのに…。




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