銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
そう思った。


だけど、それには続きがあって。


『あんな大人数で来るやつらは弱いんだ。お嬢様とか関係ない。言いたいことはちゃんと言え。じゃないと、お前が壊れる』


それは優しさを含んだ、私へのアドバイス。


驚いている間に史音は『じゃあな』と言って去ってしまった。


それからの私は、史音からのアドバイスを実行した。


私が突然変わったことに驚いたのか、それとも史音が助けてくれたのが噂で広まったのか。


私は呼び出されることもなくなった。


それと同時に史音に会いたいと思ったんだ。


だけどもう会うこともないって。


もし会えるなら、今度はちゃんとお礼を言いたいって思ってた矢先。


狼鬼に新しいメンバーが増えた。


それが史音だった。


まぁ、史音は私のことを覚えていなかったけど。


わからなくて当然なんだけどね?


学校では銀髪で、族では黒髪。


わかったらすごいよ。


それから私は外部の中学を受験し、黒髪のウィッグに黒色のカラコンをつけて通うことにした。


雑用は増えたけど、目立つこともなく、いじめられることもなくなった。



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