銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
『はーい!では、3位からいっちゃいまーす!3位は3番の1年7組、進藤さんでーす!おめでとうございます!』


南口さんに名前を言われた進藤さんは照れながら立ち上がる。


うん、あれこそ女の子。


純情って感じで、清楚なところがまたいいよね。


私とは正反対です。


なんて1人で頷いている間に第1位の発表となった。


1位は他の2人とは違い、舞台を真っ暗にして、1位の人だけにスポットライトを当てるみたい。


暗い中でも、出場者が祈ってるのがわかる。


え?私はしないのかって?


しませんよ。


だって1位はありえないから。


3位ならギリギリあるかなーっとか思ってたりしたけど。


『では1位の発表です!』


南口さんの声が体育館に響く。


他の出場者である女の子たちは両手を握りしめて祈ってる。


だけど、私は南口さんを見つめるだけ。


そうしてると、南口さんと目があった。


ん?口パクで何か言ってる?


が、ん、ば、っ、て。


〝頑張って〟…?


え、何を頑張るの?


ぼーっと南口さんを見つめていると、ぱっと明かりが私を照らす。


ま、眩しい…。


あれだ、記者のフラッシュを浴びたような眩しさっ。


「ねぇ、榎本…さん?ほら!立たないと!」


え?立つ?


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