銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
『第1位は6番の榎本依亜さんでーす!榎本さん、前へお願いします!』


え、えっ?!


1位?!


テンパる私を、南口さんは笑顔で舞台の真ん中へと引っ張っていく。


いやいや、私が1位ってありえないよ!!


誰かの間違いじゃないの?!


「榎本さん、間違いとかじゃないんで諦めて下さいね♪」


「まじですか…」


うぅ…これ絶対に禅にからかわれるやつじゃん!!


バレないようにしたいけど、同じ学校だからどこかしらから漏れるだろうし。


はぁ…。


史音になんて言おう。


そこが一番重要なんだよ。


史音にはあまり目立つなって言われてるんだよね。


特にこの姿の時は。


榎本依亜=夕凪依亜が同一人物って気づく人もいるかもしないからって。


「はぁ…」


「もぉ!溜め息ついちゃ幸せ逃げますよ?」


「あははは…」


溜め息もつきたくなりますよ。


「ふふっ。頑張った榎本さんにご褒美です」


「え?」


ご褒美?


南口さんはにっと口の端をあげたかと思うと。


『みなさーん!今から、学園祭恒例のプリンセスキャッチャーをしたいと思います!』


プリンセス…キャッチャー?


何それ?


そんなものこの学園にあったかな?


考えても全然思い出せない。



< 47 / 117 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop