銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
『ではルールを説明します!1時間の間に、藤倉学園のプリンセス、榎本さんを捕まえること!捕まえられた人には豪華な商品をプレゼントしちゃいます!』


………ちょっと待って?!


私が逃げるの?!


そんなこと聞いてないよ?!


ばっと勢いよく南口さんを見ると、ウィンクをし、〝good luck!〟と声には出ていないがそう口が動いた。


いやいや、幸運を祈るって!!


祈るくらいならこんなイベントしないでくれます?!


そんな私の思いも通じず、南口さんは北端くんが持ってきたタイマーを片手にニッコリ微笑んだ。


…悪魔の微笑みだ。


「では、榎本さん逃げて下さい♪榎本さんが逃げてから5分後にスタートします!」


あ、5分も時間くれるんだ。


…って違う!!!


早く逃げないとっ!!


ばっと舞台から飛び降り、開いてる隙間をくぐり抜けて出入り口を目指す。


…なんだろう。


真ん中の後ろの方からすっごい殺気を感じるんですが。


やっと見えた体育館の出入り口。


その時にちらっと見えた般若のような顔をした史音。


…さっきの殺気は史音かよっ!!


まぁ、史音なら納得だけどさっ?!


あんな殺気、普通の人じゃ出せないもんね?!



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