銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
後が怖いけど、今は逃げる方が優先だ!


とりあえず、いつも史音といる空き教室に行こう。


あそこはあんまり人がこないところだし!


去年史音に正体がバレた教室。


ここは今も昔も幽霊が出ると噂のある空き教室。


先生すら近づかないのだ。


この教室の存在を知らない人の方が多いかも。


『では追っかけさんスタートでーす!』


始まった!!


気配を消すのは大の得意。


それに追いかけてくるのはきっとここの生徒だけだろう。


ということは、お嬢様や御曹司ということになる。


多分気配を消すとなると、気づかれることはないはず。


「はぁ…」


1時間。


これならここから出なくてもやり通せる。


…なんて思っていた私を恨みたい。


仕事ばかりの毎日で、睡眠時間があまりなかった私はうとうとしていた。


その時。


━━ガラッ!


っ?!誰かきたっ?!


息を止め、完全に気配をたつ。


「こんなところにいるかなー」


「幽霊出るって言いますしね。でも案外こういうところの方が隠れやすいんですよ」


当たってるし!!


っていうかこっちに歩いてきてるよっ?!


これが不良なら良かったのにっ!!


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