銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
「…瑠依」


「ん?…移動だね。それなら姉さんの騎士と交代するね?」


「騎士?」


騎士ってなんのこと?


首を傾げる私に、瑠依はクスリと笑った。


瑠依?


「僕じゃ姉さんは守れないから。だからバトンタッチするね」


何を言ってるのかわからない。


瑠依じゃ私を守れない?


それは当たり前だよ。


ケンカなんて世界に最近まで関わりのなかった瑠依が、ケンカを覚えるようになったのはつい最近のこと。


それに私は黒狼の総長だ。


守ってもらわなくても大丈夫なんだよ?


それを伝えようとすると、瑠依の人差し指が唇に当てられた。


「姉さんの言いたいことはわかるよ。だけど姉さんは女の子だから」


女の子?


そりゃ私は女だけど…。


それとこれと関係あるの?



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