銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
あれから史音は全然話さないし、こっちを見ない。


…怒っていることは明確だ。


どうしたら史音の機嫌が直るのか考えるけど…。


ぜんっぜん思い浮かばない。


私って薄情者だ…。


考えているうちに目的地についたのか、扉を開ける音が聞こえた。


…多目的ホール?


この学校でも2番目に大きいホール。


確かにここは校舎とも少し距離があるし、ホール自体が広いから隠れるのには最適だろうけど…。


その分見つかりやすいのでは?


鬼役の生徒たちは御曹司やお嬢様たち。


中には一般人もいるけど…。


頭がキレる人はすぐに気づいてしまう。


史音もそれはわかってるはず。


なのになんで?


「ここ、入って」


ここって…。


放送室だよね?


怒ってる史音に逆らわない方がいい。


ゆっくりと中へと入る。



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