銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
「鍵は借りたんや」


「借りた?一体誰から…?」


わざわざ貸してくれる人がいるの?


使う理由を知っても?


「みな…みな?誰やったっけ?」


「南口さんですよ。あと北端くんと」


南口さんと北端くん?!


その2人は私がこうして追いかけられるハメになった原因。


その2人がどうして?


「…2人から伝言だ。イベントを盛り上げたかっただけなの。依亜ちゃんならカッコイイ騎士がいるから大丈夫だと思って。本当にごめん」


「2人はそう言ってずっと謝っていましたよ」


「こっちが引くくらいにな!」


なるほど。


瑠依が騎士って言っていた意味がわかった。


そしてなぜ3人が騎士なんだろう?


「…ちなみに騎士のことだけど、俺たちが依亜のことを大切にしているからだってさ」


「大切…」


「当たってますね。それと、頼まれなくても護りますよ。僕たちには依亜を守ることに理由はいりませんから」


「そや!依亜は俺たちの頼りになる最強総長やからな!」


うん、禅さんよ、言っている意味がわからぬよ。


「ふふっ。ありがとう」


そう言って微笑むと、なぜか禅と雄吾が顔を逸らした。


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