銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜

｢えーっと、もう１回お願いします｣


｢僕とペアを組んでほしいんだ｣


oh.no…。


どうやら聞き間違いじゃないようです。


嬉しいような複雑なような。


ペアに誘われるということは、魅力があるということでもある。


誘われたということは私にも少しは魅力があることなんだと思う。


だけど私の家は〝あの〟夕凪だ。


家の力を狙って…もある。


だからわからない。


ここで人を見る力を試されるとは…。


ちらっと高梨くんを見る。


女の子にモテモテな高梨くん、悪い噂はあまり聞かない。


男友達もちゃんといて、友好関係は良好。


ふむ、悪い人ではないっぽいね。


｢どうかな？｣


｢…一つだけいいでしょうか？｣


｢うん、いいよ｣


｢なんで私なんです？｣


確かに夕凪の力は強い。


だけど高梨くんの家は夕凪の力がなくてもやっていけるくらい位の高い財閥だ。


ほら、私じゃなくてもいいでしょう？