銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
そして時間というものは経つのが早く、あっという間にクリスマスとなった。


その間、私は史音と一切会うことがなかった。


学校でも、倉庫でも、家でも。


同じ学校にいるはずなのに、移動教室でも登下校中にも会うことはなくて。


仕事が忙しくてなかなか倉庫にも行けてない。


空にぃの頼みで始まった私の癒し係も、史音の予定がなかなか合わなくて。


それがいいのか悪いのか。


「依亜ちゃん…」


「優紀くん」


あれから約一ヶ月。


史音と会わなくなったことの他に変わったことは、高梨くんのことを優紀くんと呼ぶようになったこと。


優紀くんも私のことは名前呼び。


私が優紀くんを名前で呼ぶなら、優紀くんも名前で呼んでとお願いしたのだ。


「あのさ、噂のことなんだけど…」


噂…。


…あ、もしかして。


「史音がペアを決めたっていう?」


「…いいのか?」


「ええ。私だって優紀くんと組んでるんだもん。史音のことは言えないわ」


「だけどっ」


もう、優紀くんは優しすぎだよ。


そこがモテる理由なんだろうけど。


それは好きな人だけにしないと、いつか大変なことになるっていうのに。


優紀くんは鈍いからなー。



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