銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
「依亜にヤられたって…可哀想やな」


「どういう意味よ」


そう言って睨むと、禅はあたふたと慌てる。


「い、いやっ。そんで?!どうして恩返しがペアなんや?!」


あ、話ズラした。


まぁ別にいいけどね。


「それはまぁ…いろいろとあったのよ」


まさか史音が囲まれてて、誘えなかったなんて言えないし。


禅に言ったら狼鬼のみんなにバレてしまう。


口は軽くはないけど、それは外での話。


狼鬼の中では口が軽いNo.1ですから。


「依亜ちゃん、有馬くん。そろそろ行かないとヤバイですよ」


「うわっ!もう5分前やんけ!」


いつの間に…。


廊下にいるのに全然人こないって思ったら、みんなもう行った後だったんだ。


「あれ、禅はペアどうしたの?」


「クラスメイトにどーしてもって頼まれたさかいその子とペア組んだんや!じゃ、先に行くな!」


どーしてもって…。


それ、禅が好きだからじゃ…?


まぁ、本人は全然気づいてないようだけど。


あいつってそういうの鈍いからな〜。



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