銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
「有馬くん…気づいてないのかな?」


「鈍いから気づいてないと思うよ。…さて、私たちもそろそろ行く?」


「そうだね。…何か僕たちが最後みたいだし」


あ、やっぱり?


私も薄々そうじゃないかなって思ってたんだよね。


最後に入るとすごく見られるから嫌なんだよね〜。


仕方ないけどさ。


この学校はパーティー会場が3つもあるというなぞな学校。


今回の会場はその中でも一番大きな会場。


校舎から徒歩では行けず、車で行かないといけないのだ。


本当にめんどくさい構図。


会場を1つ目にしてしまえれば、車を使わずとも行けるというのに。


「依亜ちゃん、車の手配はもう済んでるから、すぐに乗れるよ」


「…行動早いね」


いつの間に。


「いつでも行けるようにって思ってね。では行きましょうか」


「うん、エスコートお願いね?」


「任せて」


優紀くんの腕に自分の腕を絡ませる。


優紀くんは名前の通り本当に優しい。


紳士だし、エスコートもなかなかのものだし。


それでも…思い出すのは史音ばかりで。


罪悪感ばかりが増していく。




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