銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
「どうぞ」


「ありがとうございます」


ドアを開けてくれた運転手にお礼を言い、車の外へと出る。


…いつ見ても大きいな〜。


「何か迫力があるよね」


「存在感がすごすぎるよ。パーティー会場が3つあるのもなぞだしね」


「そうだね。…そろそろ行かないとヤバいよ」


「うん。ではいざ出陣!」


優紀くんの腕に自分の腕を絡め、会場の中へと入っていく。


…予想以上の視線に酔いそう。


忘れていたけど、私のペアは〝あの優紀くん〟だ。


そりゃあ目立つよね。


「もうパーティー始まってるね」


「学校出たのがぎりぎりだったもの。…校長の話は長いから良かったけど」


「依亜ちゃん…」


だってね、もう聞き飽きた!ってくらい同じことばかり話すんだもん。


それを立ちっぱなしで、20分以上聞くのは辛すぎる。


特に今はドレスだから、制服の時よりしんどいし。


校長の話を聞かなくて済んだと油断するヒマはない。


この後は踊ったり食べたり。


常に笑顔だ。


苦ではないけど、それがパーティーが終わる3時間もとなるとなかなかしんどい。



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