銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
「依亜ちゃん、先に踊る?それともご飯が先?」


どうしようかな。


躍ってからの方が何かと楽かもしれない。


食べてからだと酔うだろうし。


高梨くんとは練習は何回もしたけど、ミスすることなく終われるといいけど。


「先に踊りましょう。終わったらゆっくり過ごせますからね」


この3時間はいつもの口調は封印。


夕凪の実力が試される時間。


「そうだね。では、行きましょうか」


そう言って差し出された手に、自分の手を重ねようと手を上げる。









と、横から伸びてきた手によって、それは叶わなかった。


「っえ?」


私の手を握るのは優紀くんではない。


「…史音」


怒った顔をした史音がそこにいた。


史音は何も言わず、私の腕を引っ張っていく。


ちょっ、史音?!


「依亜ちゃん!」


「優紀くん!ごめん!」


後ろで戸惑っている優紀くんに謝罪をし、止まることのない史音に付いていく。




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