銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
「…女装」


「は?」


今なんて言った…?


「女装させたんだよ」


「はぁあぁぁあ?!」


女装させた?!


男の子に?!


「下っ端になんてことしてるの?!」


てか、下っ端もよくオッケーしたね?!


幹部だからって強制ってわけじゃないのに!!


「…そうでもしねぇとここに入れねぇだろ」


え?


史音を見ると、恥ずかしいのか、右手で頭をガシガシと掻いた。


「依亜が高梨ってやつとペアを組んだっていうのは禅から聞いた。なんで俺じゃねぇんだって思ったよ」


私は何も言わず、ただ史音の言葉を静かに待つ。


「でも依亜のことだから何かわけがあるんだって。だから早く会いたくて。…会って依亜を抱きしめたかった」


「私も…私も史音に会いたかったよ!!」


史音がずっと溜めていた本音を私にぶつけてくれたから。


私も史音に本音をぶつけてみることにしたよ。


ちゃんと受け止めてね?



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