銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
「史音、私はね、史音に会えなくても大丈夫だよ」


「え?」


「会えなくても気持ちは繋がってるから。私は史音を愛しているから」


だから大丈夫。


離れていても。


だって1年離れていても大丈夫だったもん。


その想いを込めて微笑むと、史音に抱きしめられた。


私の肩に顔を埋めて動かない。


「…史音?」


どうしたんだろう?


というか、史音の息が肩に当たってこしょばいです。


「…俺さ、依亜とは長い付き合いだから言わなくても伝わるって思ってた」


史音の言葉に、何も言わずに静かに聞く。


「だけど、依亜に初めて愛しているって言われてすっげぇ嬉しいんだ」


初めて…。


そうだ。


私は付き合った時にお互いの気持ちを伝えたっきり、それから1回も愛の言葉は言ってない。


史音の言ってた通り、言わなくても伝わるって私も思ってたんだ。


だって今までがそうだったから。


「ありがとう。俺も依亜を愛してる…」


ゆっくり史音の顔が近づいてくる。


史音の唇が、私の唇にそっと重なる。


軽い触れ合い。


だけど触れ合ったところから、史音の私への想いが伝わってくる。


ありがとう。


愛してます。



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