銀髪姫の恋物語〜やっと掴んだ幸せ〜
カバンの中に入っているもの。


それは…。


「これ付けるのも久しぶりだな〜」


昔使っていた、黒色のウィッグと黒色のカラコン。


最近はケンカすることもないから倉庫から出ないし、仕事してるし…。


受験勉強もしないといけなかったし。


で、つける機会がなかったんだよね〜。


銀髪の髪をキレイにまとめ、ウィッグの中へと入れていく。


鏡で銀髪が出ていないか確認し、カラコンを入れる。


…よし!久しぶりの榎本依亜バージョンの出来上がり!


「史音、お待たせ」


「その姿を見るのも久しぶりだな」


「うん。私も久しぶりにこの姿になったけど、やっぱり体は覚えているものね」


何ヶ月とこの姿にはなっていなかった。


だけど、慣れた手つきでこの姿になる事が出来た。


慣れってやっぱりすごいものね。


「それは俺も思うよ。俺も前までは素の自分を隠していたからな」


「え?」


「依亜にバラして、もう隠さなくていいとわかってるのに、いつものように素を隠す俺がいたからな」


昔1回だけ史音に聞いたことがある。


どうして素を隠していたのか。






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