ワガママ王子はヤクザ様
「俺に寄るな。病気うつんだろ。」

彼女に向けられた残酷な一言。

その言葉はほぼ2次元の世界で生きている彼女にとって、とてつもない程鋭いトゲとなって心に突き刺さった…

(私が心から会いたいと願っていた人は本当にこの人だったの…!?)

頬から伝う熱いモノに気が付いた時には、もう、彼は背を向けて歩きだしていた。
量を増した涙が、頬を引っきりなしに濡らしてゆく。
その場から遠退いていく背中を見送ることなく、私はきびすを返すと彼とは反対方向へ全力で走りだしていた…。

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