幼なじみの隣で不器用な恋を
意識しすぎ…。
眞紘くんの言葉に敏感に反応しすぎだよ。
「結城君、花奏のお弁当…絶賛だね~!」
「眞紘が嬉しそうに食べてる卵焼き、どんな味なのか気になるな…。俺に一個ちょうだい?」
興味津々で眞紘くんのお弁当箱を見つめる矢口くん。
そんな視線を遮るかのように、眞紘くんはお弁当を手で覆った。
「断る。これは、花奏が俺に作ってくれたものだから。」
「また、不機嫌そうな顔してる。この前と同じ顔。」
「は?」
「でも、嫉妬も独占欲も…ほどほどがいいと思うけど?あまり強すぎると、白石に呆れられるよ?」
苦笑いする矢口くんと眉間にシワを寄せる眞紘くん。
二人の視線が私に注がれる。
「えっ…、どうしたの!?」
戸惑っていると、眞紘くんはクシャクシャと気まずそうに頭を掻いた。
「な、何でもないから気にすんな…。」
少し焦った声を零すと、お弁当のご飯を頬張った。