幼なじみの隣で不器用な恋を
気にするな…って言われると、余計に気になるんだけどなぁ…。
黙々と食べる眞紘くんを見ていると、矢口くんが私の耳元に顔を近付けてきた。
「他のヤツに食べさせたくないし、独り占めしたいんだよ、眞紘は。」
「えっ…?」
「要するに、嫉妬や独占欲を剥き出しにするぐらい、白石が作った弁当は“特別”ってこと。」
「………っ…」
ビックリして言葉が出ない私。
固まっていると、眞紘くんに肩を抱かれて引き寄せられた。
「慶介、コソコソと何話してんだよ。しかも、そんなに顔を近付けんな。」
「悪い悪い。眞紘をとびきりの笑顔にする弁当を作れる白石はスゴいな…って話をしただけだよ。」
「……花奏、本当に?」
私を見つめる眞紘くん。
あと数センチ近付いたら、鼻と鼻が触れてしまいそうなほどの近距離。
ドクンドクンと心臓が幾度となく、大きく跳ねる。
触れられている肩や、見つめられてる顔に熱が集まってくるのを感じた。