幼なじみの隣で不器用な恋を

その後、お弁当を食べないまま…お昼休みを過ごした私。


午後の授業が始まってからも、気持ちは落ち着かない状態が続いていて…。


眞紘くんと話すのが気まずい私は、休み時間になると教室に居ないようにしていた。


放課後も直ぐに教室を出て、家庭科室へ。


歓迎ムードの先輩たちに囲まれて少し緊張しつつも、初めての家庭科部の活動を終えた。


「お疲れさまでした…。」


家庭科室を出て、夕日が差し込む廊下を歩く。


眞紘くん、きっと……私が会話することを避けてたのに気付いただろうな。


嫌な気持ちにさせちゃったよね…。


明日、どんな顔して会えばいいんだろう…。


キュッと唇を噛み締める。


重い足取りで昇降口までやってきた私。


下駄箱に背をもたれて、俯き加減で立っている人物が視界に入った途端、目を見開いた。




「眞紘くん……」


零れた声に反応した眞紘くんは私の方に顔を向ける。


そして、柔らかな笑顔を浮かべた。


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