幼なじみの隣で不器用な恋を
「花奏、部活…お疲れ!」
優しい言葉にドキン…と胸が震える。
「どっ…どうして、ここに…?」
「俺、今日…日直だっただろ?色々と細かく書かなきゃいけない日誌に苦戦してたら、時間掛かってさ。」
そっか、それでこんな時間まで学校に……って、えっ…?
「ということは、二時間も日誌と格闘してたの…?」
昇降口の大きな柱に掛けられている時計を見上げる。
放課後を迎えてから、今がちょうど二時間ぐらい。
いくら面倒な日誌と言えども、そこまで時間は掛からないような気が…。
ビックリしていると、眞紘くんはフッと少し吹き出すように笑った。
「日誌は20分ぐらいで終わらせて、職員室に持ってったよ。あとは、ずっとここで花奏が来るのを待ってた。」
「えっ…」
1時間以上、ここで…?
瞬きを繰り返すと、眞紘くんは気まずそうな表情で私を見つめた。