幼なじみの隣で不器用な恋を

「今日は、ごめんな…。昼休みの時、慶介と話してるところを無理に引き寄せたりして…。驚かせて、戸惑わせて、ごめん…。」


「眞紘くん……」


切なげに眉を寄せる姿に、私はフルフルと首を横に振る。


「あ、謝らなくちゃいけないのは…私の方だよ。午後、眞紘くんと話すの避けてた…。あの時、凄くビックリして…どんな顔して話したらいいのか分からなくなっちゃったんだ…。ごめんね…。」


「いや、花奏のせいじゃねぇだろ。元はと言えば、原因は俺なんだし。」


「眞紘くんが悪いわけじゃないよ…。」


「でも、俺が……」


「ううん、私が……」


そこまで言葉を発したところで、眞紘くんが少し笑みを零した。


「この感じ、なんか…懐かしい。」


「えっ?」


「小学校に入学したばかりの頃、こんな風に、お互い謝りあったの覚えてる?」


「あっ、もしかして…公園で遊んでいた時のこと?」


即座に返答する私に、眞紘くんはコクコクと頷いた。


< 107 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop