幼なじみの隣で不器用な恋を

「俺と花奏が、思いっきり…ぶつかって転んじゃってさ。あの時、二人で“ごめんね”を何度も言い合ったよな。お互い“俺が悪い”“私が悪い”って言いながら。」


「うん。それを見てた矢口くんと、なっちゃんから“二人とも謝りすぎだよ”って言われたっけ…。」


確かに、懐かしいな…。


思い出を頭の中に巡らせていると、眞紘くんは自分の首の後ろに手をあてた。


「あのさ、ケンカ……したわけじゃねぇけど、俺のせいで昼から気まずい感じになっちまったし、その……仲直りしてくれねぇか?」


「も、もちろん…。」


ぎこちなく答える。


そんな私に、眞紘くんの表情がホッとしたような笑顔へと変わった。


「良かった…。このまま花奏と話せなくなったら、俺…かなりキツイし。」


「眞紘くん……」


「実際、午後…話せなかっただけで、寂しさとか物足りなさを感じたから…。」


私も…一緒だ。


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