幼なじみの隣で不器用な恋を
平行線のもどかしさ
【眞紘side】
「はぁ……。」
「これで12回目。」
「は?何だよ、その回数。」
「眞紘が、うちのクラスに来てから零した溜め息の数。」
「………。」
4月末日の放課後。
花奏の部活が終わるのを待ってる俺は、慶介のクラスで時間を潰しているわけだが……
そんなに溜め息零してたのか、俺。
実感がないだけに、少し驚いてしまった。
「白石と何かあった?」
「は?」
「お前が何度も溜め息つくなんて、よっぽどのことなんだろうと思ってさ。となると、白石絡みかな…と。」
どういう分析の仕方だよ。
まあ、実際のところ当たってるから、否定出来ないけど。
「ケンカ……なわけないよな?白石と普通に会話してるし。」
「ああ。ケンカなんて一切してないし、花奏との仲は今までと変わりねぇよ。」
「それなら、何が原因?」
慶介に訊ねられた俺は、また溜め息を漏らした。