幼なじみの隣で不器用な恋を
「幼なじみ以上の関係に進展させたいんだけど、マジ…難しいなと思って。」
「それって、告白すんのが一番効果的なんじゃね?」
「…だろうな。でも、現状は…まだ無理。」
「なんで?」
「……間違いなく花奏に距離を置かれるから。実際、初めて弁当を作ってきてくれた日、慶介に嫉妬して花奏を引き寄せたけど、あの後…放課後まで会話するの避けられちまったし。」
あれは、さすがにダメージがあった。
妬いた勢いの行動に、後悔した。
正直言って、ちょっと自惚れてたのかもしれない。
花奏の家にケーキを持って行こうとした、あの日。
公園の傍の歩道で、思わず花奏を抱きしめたら“嫌じゃない”って言われたから。
俺のことを恋愛対象として意識してくれてるのかも…って、思ったんだ。
単純な解釈して舞い上がって、もっと攻めてみよう…だなんて思ったりして、結局…花奏を困惑させてしまった。
何やってんだ、俺は。