幼なじみの隣で不器用な恋を
溜め息と共に肩をガクリと落とすと、慶介は苦笑した。
「それじゃあ、これから…眞紘はどうするつもり?」
「暫くは、今までどおり…幼なじみとして普通に接しようと思ってる…。積極的な攻めは、当分…出来ねぇよ。」
「ふーん…」
小さく頷く慶介。
何か考えているような顔つきで少し沈黙した後、口を開いた。
「……お前、本当にそれでいいのか?」
「は?」
「白石と、ずっと幼なじみのままでいいのかよ。」
「そんな訳ねぇだろ。もちろん、彼女になって欲しいに決まってんじゃねぇか。でも、今はまだ…告白するタイミングが……」
「じゃあ聞くけど、そのタイミングって…いつ来るんだ?」
慶介の低い声が教室に響く。
いつになく真剣な眼差しに、俺は視線を逸らした。