幼なじみの隣で不器用な恋を
「“いつ”って聞かれても、そんなの具体的には分からねぇよ。」
「眞紘、さっき“現状は…まだ無理”って言ってたけどさ、この先…白石に避けられんの怖がってたら、現状なんて…いつまでも変わらないんじゃないか?」
「…………。」
ドクン…と心臓が熱く鳴った。
そう…だよな。
慶介の言うとおりだ。
花奏の反応を気にして躊躇ってるようじゃ、今どころか、いつまで経っても…きっと告白なんて出来ない。
「白石と新しい関係に進むためには、今…とどまってる場所から踏み出す勇気と覚悟が必要なんだと思うよ。当たって砕けろ…ぐらいの勢いがいいんじゃない?」
「砕け散るのは嫌だけど。」
「あくまで極端論だよ、極端論。」
「分かってる…。ありがとな、慶介。」
「おう、頑張れよ。」
二人で見合って拳をトンと軽く突き合わせる。
後ろ向きになっていた心に光が差し込んだような感覚がした。