幼なじみの隣で不器用な恋を
慶介と別れて、昇降口へ。
暫く時計をチラチラ見ながら待っていると、花奏が姿を見せた。
「部活、お疲れ!」
「うん…。」
声を掛けると微笑んでくれたけど…
心なしか表情が曇っている気がする。
どうしたんだろうか…?
学校を出て、帰り道を並んで歩く。
無神経に聞かない方がいいかもしれない…と思いつつ、やっぱり気になった俺は口を開いた。
「花奏、なんか…ちょっと元気なくね?」
「そ、そう?」
「今も、ちょっと気まずそうな顔してる。部活で何かあったのか?」
意外な質問だったのか、花奏は驚いた様子で首を横に振る。
「ううん、部活は楽しかったよ!そうじゃなくて、いつも眞紘くんに悪いなぁ…と思って。」
「えっ、俺?」
「私が部活の日、毎回…終わるまで待っててくれてるでしょ?時間だって長いし、苦痛なはずなのに…。」
「全然、苦痛じゃねぇよ。」
っていうか、そんな風に感じたこと今まで一度も無い。