幼なじみの隣で不器用な恋を
「でも、学校に居るよりも早く家に帰った方が、眞紘くんにとっては時間を有意義に使えるでしょ?」
「別に、そうでもねぇよ。むしろ、学校で待ってる時間のが有意義かも。課題とか家より集中してこなせるし。」
「そ、そっか…。」
花奏の表情が少し和らぐ。
俺のこと、心配してくれてたのか。
幼なじみなんだし、そこまで気遣ってくれなくてもいいのに。
でも、そんな優しい花奏が…俺は好きなんだけどさ…。
「………。」
「………。」
会話が途切れる。
いつもなら、適当に思いついた話題を自分から話し出すはずなのに、なぜか今は…浮かばない。
代わりに頭の中を占拠してるのは、“告白”の二文字だ。
ちゃんと、言わないとな…。
好きな人に“好きだ”って。
伝えたら、間違いなく俺たちの関係が変わる。
それが良い結果だとしても、悪い結果だとしても、現状にもどかしさを感じてるよりは、よっぽどいい。