幼なじみの隣で不器用な恋を
「本当!?なっちゃんも喜ぶと思うよ!声援が多ければ多いほど力になるって言ってたから。」
声を弾ませる花奏。
振り向くと、キラキラと嬉しそうな笑顔を浮かべていて…。
ドクンッと鼓動が激しいぐらいに波打った。
「思いっきり応援しようね!」
「お、おう…。」
参ったな…。
花奏の顔を見る度に、緊張が増していく。
俺、花奏の傍に居る時に、こんなにも心臓がドクドクと大きな音をたてて鳴ってたことあったっけ…?
単なる返事でさえ、声に出すのが大変なんだけど…。
とりあえず、気持ちを落ち着かせたい。
その後は、花奏と殆ど会話をしないまま、家まで帰って来てしまった。
「はぁ…」
空気が抜けるかのような溜め息と共にベッドに寝ころぶ。
天井をボンヤリと見つめた。
“好き”を伝えるだけ。
それだけなのに、いざ…花奏を目の前にしたら、緊張で告白どころじゃなかった。