幼なじみの隣で不器用な恋を

「えっ、じゃあ…まだ白石に告白してないのか?」


「……ああ。」


その後も、なかなか花奏に告白出来ない日々が続き…


5月に入ってから、一週間以上が経過していた。


「当たって砕け散る勇気と覚悟、決めたんじゃなかったのか?」


「決めてるよ。だけど、いざ…花奏に言おうとすると、今まで経験したことないような緊張が襲ってきて、言葉が出て来なくなっちまうんだよ。」


「昔から、あまり緊張したことのない眞紘が…?」


「自分でも驚く。こんなに緊張すんのかよ…って。」


帰り道。


オレンジ色の空を見上げながら、苦笑いする。


告白どころか、花奏と帰るだけでも心臓の跳ね上がりっぷりが尋常じゃなくて、昨日から一緒に帰るのを中断してる状態だ。


「大事な場面で緊張せずにハッキリと気持ちを伝えたいのに上手く出来なくて…。そんな自分にモヤモヤする。本当、カッコ悪いよな。」


唇を噛み締めた時、慶介の溜め息が聞こえた。


「お前、バカじゃねぇの?」


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